2011年2月のまとめ

2月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:1539ページ

むやみに分裂!! 邪神大沼 6 (ガガガ文庫)むやみに分裂!! 邪神大沼 6 (ガガガ文庫)
ライトノベルで笑いというと定番は「ラブコメ」であるがその「ラブ」分を潔くバッサリと抜き「笑い」の純度を上げた怪作。巻を重ねてもそのネタの鋭さは鈍らない、…てか、ますます笑いのギリギリ度がアップ。章の間に挟まれる「邪神マニュアル」にはこれまでも実用書のパロディーがあったが今回は大ヒットした「もしドラ」と直球です。某デビュー小説のパロディーも危険、1ページに1回は笑いました。
読了日:02月22日 著者:川岸 殴魚
第七女子会彷徨 3 (リュウコミックス)第七女子会彷徨 3 (リュウコミックス)
前巻の中くらいまではユニークで不安定な作品世界を驚く作品色が強かったが「高木さんの日曜日」や「ジプシーキングス」はちょっと不意をつかれ感傷的な気分にさせられた。同時にいつの間にか「高木さん」と「金やん」というキャラクター(といか二人の関係)に親しみを覚えていることに気づく、傑作です。
読了日:02月21日 著者:つばな
第七女子会彷徨 2 (リュウコミックス)第七女子会彷徨 2 (リュウコミックス)
作者のイマジネーションがすごい。一見でたらめなアリス風パロディー「高木さん劇場」なんて「え、ここで終わるの?」といった終わり方に驚くし、「静止現象」は表現自体がシュール。実はこの作者は40世紀あたりの遥か未来にいて、史料やイメージだけを頼りに我々の時代を描いて原稿を何らかの方法で送信してきてるのではないかと妄想してしまう。
読了日:02月21日 著者:つばな
第七女子会彷徨 1 (リュウコミックス)第七女子会彷徨 1 (リュウコミックス)
日常生活に不思議なアイテムや現象をからめた「スコシフシギ」系一話完結式連作、……に見えるが、実は日常感覚自体が読者のそれと微妙にズレており読み進めるにつれて違和感がジワリジワリとくる。「デジタル天国」や「友達選定」などとくにそれを感じる。そしてこの1巻でよくわからなかったり、しっくりこなかった人も続巻を是非とも読んで欲しい(続く)
読了日:02月21日 著者:つばな
さよなら絶望先生(24) (少年マガジンコミックス)さよなら絶望先生(24) (少年マガジンコミックス)
二四集、思えば遠くへきたものです。この巻は単体としてはそれほど笑える箇所はなく、久米田先生の絵もどことなく不安定です。しかし十八集までしばらく続いた陰鬱で皮肉の強い路線から十九集から二三集までの(おもにA○Bネタを中心とする)むやみにテンションの高い路線への変化を考えると再び〈調整期〉に入ったということでしょうか。次の大波を信じて読み続けることにします。決して「じょしらく」や「改蔵」新版他で多忙で手が回らないということではないと思います、本当に!
読了日:02月16日 著者:久米田 康治
おーい!キソ会長 (徳間文庫)おーい!キソ会長 (徳間文庫)
フツーでビビリ、特別冴えているわけでもないそんな脇役っぽい主人公がすごい魅力的に見えるのが不思議。あと会長の丹野さんが男前で素敵過ぎる、続編希望
読了日:02月08日 著者:柴村 仁
追想五断章追想五断章
著者の長編作品ではシリーズを除けば現時点ベスト(2作品未読ですが)。散逸した無名作家の作品を探すという〈検索〉の無い時代ならではの探索行にグイグイ引きこまれる。いつものあまり感情を表さない淡々とした文体の中に主人公が号泣するシーンがドキリとさせられ胸をうつ。作中作五編における「最後の一行」というのは、前作『儚い羊たちの祝宴』では劇的なものだったけど今回も(以下規制)そこに著者のこだわりを感じた。
読了日:02月04日 著者:米澤 穂信
六畳間の侵略者!?〈7〉 (HJ文庫)六畳間の侵略者!?〈7〉 (HJ文庫)
〈侵略者〉の女の子がとても魅力的なこのシリーズ。前巻までは主人公を中心とする登場人物間の関係や成長に焦点があたっていましたが、この巻からは積み残した物語が少しずつ動き出しました今巻でもある程度みえてきた部分もありけれど、(おそらくは)全員ハッピーエンドに向けて、伏線がどう回収されるのか見当もつかないところもあり続きが待ちきれない。ラノベでは今一番気になっている本作、読み始めるなら今が絶好の機会かも。
読了日:02月04日 著者:健速
ラブコメ今昔ラブコメ今昔
自衛隊に所属する男女の恋愛を描く短編集。同じモチーフの前作『クジラの彼』は自衛隊の一般的イメージと恋愛のギャップを逆手にとり「自衛隊員だってフツーに恋する」ことを描いた良作だったが、本作はそこから少し踏み込んで「生命にかかわる仕事に対する覚悟」を日常的にとらえる隊員を魅力的に描いており前作からの読者も楽しめる。6編の中ではAD女子がいじらしい『広報官、走る!』がベスト。もちろん著者作品の魅力である明るく元気な女子キャラも健在。
読了日:02月03日 著者:有川 浩

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