チャールズ・ストロス『シンギュラリティ・スカイ』

シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)

シンギュラリティ・スカイ (ハヤカワ文庫SF)

1964年生まれの英国人作家によるモダンなスペースオペラ
舞台づくりはうまい。21世紀中葉に突如として銀河に散らばる人類世界が出現するためのギミックとして「シンギュラリティ」(特異点)というポピュラーサイエンスの最新トピックを用いている。
エンターテイメント系SFに限った話かもしれないが、作品のおもしろさはシンプルな物語(本作もつきつめればやや年のいった男女の「ボーイ・ミーツ・ガール」ものである)や突飛なアイデア(空から電話が降ってくる!)はそのままでは作品にならない。現代と地続きの世界でいかにもっともらしく展開するかでおもしろさが生まれるのではないか。それにしても宇宙船内のシーンはややダレる、もう少し短くても良かったかもね。続編に期待して6点