半分の月がのぼる空

1冊目は書店街の大型書店で平積みされているものを適当に手にとったもの。近くのスターバックスで数時間で一気に読む。あとでテレビドラマ化されて放映中であることを知ったが未見。

実在の地方都市の病院を舞台に入院中の高校生と少女との出会いを描く。
ライトノベルというと斬新な世界設定、奇抜なキャラクターといったある種の「先入観」があるが、この作品は日常的な舞台と(デフォルメはされているが)ごくごく普通のキャラクターを配置している。入院病棟というある意味非日常的な世界を高校生の視点で淡々と描きつつ、じわじわと感動を高めていく手法をとっている、その意味ではきわめてオーソドックスかもしれない。
クライマックスにあたる「砲台山」の場面はなんとなく世界の中心で愛をさけぶ』を連想してしまいちょっと苦笑するが、パロディーとかそういう狙いではないだろうし感動は与えてくれる。

ライトノベルを読んだことの無い初心者にはお勧めできるわかりやすさ読み易さだが、主人公視点で描かれる心情描写や単線のストーリィ展開に若干のもの足りなさもあるだろう。一方、ライトノベルに一般小説にない奇抜さや斬新さを求める向きにはお薦めしない。

この後どうなるのか2巻以降はぜひ読んでみたいが次に進むことにする。