隣のドッペルさん(22/50)

古い伝承の残る地方都市で、自分と瓜二つの姿をした「ドッペルゲンガー」が現れる。「ドッペルゲンガーに会うと必ず死ぬ」という言い伝えにおびえつつもその影を追う女子高校生と友人たち。
彼氏もいるごく普通の女子高校生である「わたし」が語り手となり、謎の美少女との出会いを描く本作は正当派ジュブナイル小説といった趣。
作者は同人小説で作品を発表しており本作が商業デビュー作のようだ。あとがきによると本業で忙しい中、三分の二を携帯電話で執筆したとのことだが、意外なほどオーソドックスで平明な語り口の文章はシンプルなプロットにあっていると思う。

高橋慶太郎の綺麗な挿絵に思わず見入ってしまいました。