西尾維新『クビキリリサイクル』(48/50)

期待が大き過ぎたかもしれない……。決して悪い作品ではない、むしろトリックの展開を含めいろいろと興味深かった(動機の解明は最後の最後ですか!)が「こいつはスゲエ!」というような驚きは感じません。第23回メフィスト賞を受賞した「戯言」シリーズ第1作。

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

本格ミステリの枠組にライトノベル的なキャラクター小説の趣向を持ち込むことで、本格ミステリが元来もっているつくりもの的な側面を相対化しているところがおもしろさ?
実は本格ミステリーとか密室ものはそれほど読まないもので……、そのあたり他の読者が感じるの新鮮さがいまひとつピンときてないのかもしれません。
本作は近年のエンターテインメント文芸上の「事件」であるかもしれないけど既に「ライトノベル的」世界に(膝上くらいまで)浸かった自分には〈青髪サヴァン〉玖渚友ちゃんのキャラは小説世界の登場人物としてそれほど違和感はなかったのです。