桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(49/50)


GOSICK』シリーズを同じ富士見ミステリーから発表中の桜庭一樹の200ページあまりの単体作品であるが、これも間違いなく彼女の代表作になるのだと思う。
結末まで読み泪が止まらなかったのは、砂糖菓子の弾丸を撃ち尽くして「生き残れなかった少女」に対してなのか、それとも実弾を抱えつつ過酷な現実を生き残っていこうとする少女のためなのか……。「実弾」を携えた兵士として再生の道を歩む主人公の兄の姿が作品中の救いである。

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)