伊藤たかみ『アンダー・マイ・サム』

『八月の路上に捨てる』で第135回芥川賞を受賞した伊藤たかみの作品。

アンダー・マイ・サム (講談社文庫)

アンダー・マイ・サム (講談社文庫)

主人公の身体がズレる(幽体離脱とはちょっと違う)という不思議な体験、顔に疵のある幼馴染みの女の子(とその死)、友人の暴力衝動といったエピソードが淡々と綴られ、その日常の中から「17歳であることの焦燥」みたいのがジワリジワリと伝わるけど、最早そういうのはそれほどに共感できなんだよなあと感じたのです。