池上永一『ぼくのキャノン』

初めて読む作家さんです。以前から興味はあったのですが、この人の作品にとりあげることの多い沖縄という土地に思い入れが無いせいか、なんとなくスルーしてました。代表作は本作のほか『シャングリ・ラ』や直木賞の候補作になった『風車祭(カジマヤー)』だと思います。

ぼくのキャノン (文春文庫)

ぼくのキャノン (文春文庫)

描かれている作品は魅力的なのですが、やや饒舌すぎるなと感じる表現があったり、登場人物が行動するシーンで描写がうまくつながらないシーンが見られ、それが気になり始めてからの後半部はあまり楽しんで読むことができませんでした。

休暇中で十分な読書時間がとれる環境でどちらかというとシナリオのヤマとタニのはっきりしたエンターテイメントを求めていたせいもあり、南国的なゆっくりとした時間の流れる物語にハマりきれなかったこともあるかもしれません。