神代創(かみしろ・そう)『ウェイズ事件簿2 淡き幻は薄暮より』

王都襲撃事件も解決し、ようやくひと息ついたレヴァンの元へまたしても厄介な依頼が舞い込んだ。何者かがエルフの宝玉を盗み出したというのである。人間の心を映し出すというその宝玉は、所有者を不幸にしながらも力を蓄え、ついにはその真価を発揮し始めて…(欲と幻)。冬の訪れとともにラスラトアを訪れたひとりの男。圧倒的な戦闘能力で闇の眷属たちを灰へと還元せしめ、さらに街の裏社会の支配者、カザルスまでも凶刃にかけようという男に、レヴァンたちは立ち向かえるのか(狩人と掟)。再び蠢動する陰謀、サディアに課せられた宿命、リーズフレアの想い…。様々な思惑がからみあい、ますますヒートアップする探偵ファンタジー山本ヤマト描き下ろしピンナップ付き。

盗まれた宝玉の探索は作成者のドワーフへの聞き込みから、とある商家の手にあると突き止めるところまでなんとなく往年の私立探偵ものっぽい雰囲気、ついついハメットのような展開を期待するが、魔力を秘めた宝玉ということでここからはむしろ怪物ホラーものになってしまうのは仕方なし。帯のコピー「レヴァン、出番だよ(はーと)」にガクっときて5点