久住四季『トリックスターズD』
- 作者: 久住四季,甘塩コメコ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2006/04/01
- メディア: 文庫
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城翠大学の一大イベント、3日連続の学園祭、その一日目。周と凛々子は異常な閉鎖空間の中に閉じ込められていた。すっぽりと闇のようなものに覆われてしまった講義棟。その中で、脱出するすべを探し、あがく周たち。この状況がどうやら魔術によるものであり、さらに周たちの中に魔術師の息がかかった裏切り者がいるらしいことが判明する。それが、それぞれの疑心暗鬼を招くことになり…。招かれざる客“D”が来たりしとき、逃げ場のないその空間は恐怖と緊張で満たされる。魔術師と“D”の物語、登場。
だ、騙されたっ!
9点
ミステリ作品の楽しみ方として、作中に仕掛けられたトリックをあれこれ想像しつつ読み進むというのがある。で、結末で明かされるトリックがしょっぱかったり、単なる深読みし過ぎであったりするとそれはそれで凹む。
シリーズ3作目となる本作の展開は予想できなかった……というか作中に仕掛けられたあるトリックに完全にミスリードしてしまいクライマックスで衝撃の展開、こんな体験なかなかありません。
2作目までは設定はおもしろいものの、丁寧である分ややテンポが悪い文体と盛り上がりに欠けるプロットが弱さを感じさせるシリーズだったが評価を改めた。