PTリーダーのみ列にならんでください

行列のできるBC


多くの冒険者がひしめく狭い空間には、来る決戦を控えた緊張と、長く困難な道のりを無事突破した安堵がないまぜになった不思議な感情が充満している……

9月20日深夜から未明にかけてののホラの尖塔(Spire of Holla)はまさにそんな場所だった。
同エリア内192名…30組を越えるパーティがWreckerとの決戦を待つという一種異様な状態の中でさぞ大混乱かといえば、意外にも整然としていることに到着間も無い私達は驚く(画像参照)が、その理由に気づくのに時間はかからなかった。

そこで一名のタルタル氏が懸命に行列整理をしていたのだった……。


Li**** : ただ今At****さんが最後尾です
Li**** : PTリーダーのみ列にならんでください
Li**** : ただ今【Re****】さんが最後尾です
Li**** : PTメンバーは列から離れて行列を鑑賞してください
Li**** : 並んでる方はいっぽずつつめてくださいね
ここでPTメンから至極真っ当な疑問が…

(As****) 仕切ってる人がBCにはいるとき、どうなるんだろうw
(Nogard) w
(Ka*****) そのうち後継者が指名されるかもw

そんなメンバーの心配をよそに、異空間の避難所にタル氏の行列整理の声がこだまする。


Li**** : ただ今【Ma*********】さんが最後尾です
Li**** : PTリーダーのみ列にならんでください

そのうち孤軍奮闘するタル氏に共感したのか、協力者も現れる。


Ro******* : 現在の列の先頭はRy**さんです。PTリーダー睡魔に負けずに一列にお並びください。
Li**** : 現在【Ma*********】さんが最後尾です
Li**** : PTリーダーのみ列にならんでください
Li**** : PTリーダーは時々PTメンに声かけて眠らないように

そう、私の最大の懸念もモンスターとの戦いではなくメンバーの寝落ちで不戦敗になることであった……。
一定の間隔をおいて響くタル氏の声が私を現実につなぎとめる。


Li**** : 現在【Ma*********】さんが最後尾です
Li**** : PTリーダーのみ列にならんでください
Li**** : 前へつずいて一歩ずつお進みくださいませ

既に数十分が経過
メンバーはそろそろ離席したり、用事を済ませたり。
そのまま戻っこないなんてことはないかとドキドキするが、ひきとめはしない。


Li**** : 現在【Ma*********】さんが最後尾です
Li**** : PTリーダーのみ列にならんでください
Li**** : 時々PTメンはリダに話しかけてあげましょう

パーティメンも並びはじめた当初は、BCでの戦法やモンスターについての情報交換をしていたが、話題も尽き無口になりがち。
レイさん(仮名)が退屈を紛らわすため、しりとりの提案をする。
プロミヴォンの行程を通じて、アラに不慣れな私に代わりメンバーの引率でリーダーシップを発揮してくれた方である。


(Re****) あ じゃあ しりとり しましょう☆
(Ak*****) しりとりいいねw
(Nogard) しりとりします
(Nogard) ゲルスバ野営陣
(Ka*****) w
(Tさん) おわってるよ
(Fa****) おわってるしw
(ネオさん) お約束キター

主催者自ら、いきなり一発ネタで終了させてどうするんだと……。


Li**** : 現在【Ma*********】さんが最後尾です
Li**** : PTリーダーのみ列にならんでください
Li**** : 最後尾変化なーし!

さきほどから最後尾のヒトの名前が全然変わっていないが、これはコピーでも何でも無く事実である。


Ma********* : なんか私の名前がみんなの脳裏にサブリミナルな予感がシテキター
Et***** : w
Wo*** : もう覚えられたねw
Li**** : 頑張ってすりこんでます(´・ω・`)v
Ty*** : やったネ!!w
Ma********* : 誰か交代して、、、クポ
Nogard : 有名人
Et***** : おめでとうですw

後日談だが…某所で、偶然彼を見かけて「最後尾の○○さーん」と声をかけたところ、素敵なリアクションをしてくれた。
多分、あの場に居合わせた何人かに同じように声をかけられているのだろう。


Li**** : 現在【Ma*********】さんが最後尾です
Li**** : PTリーダーのみ列にならんでください

……永遠に続くかのようにタル氏の声がホラにこだまする(オチ無し)