井上堅二『バカとテストと召喚獣』

バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣 (ファミ通文庫)

7点、一気に読め馬鹿馬鹿しくもおもしろい。作風は全く異なるが同レーベル『学校の階段』シリーズに通じる魅力があり次作も期待。
第8回エンターブレインえんため大賞編集部特別賞受賞作。試験の成績によって教室の設備に極端に差異のあるクラス編成が行われる高校を舞台にした学園コメディ。待遇を改善するためのクラス間の対抗戦「試験召喚戦争」という設定がユニーク。自分の学力に応じた分身である「召喚獣」を呼び出し試験の点数に応じたヒットポイントで戦うのだが、学年最低成績のF組が戦術を駆使して最高成績のA組に挑むという一本道ストーリーが潔い。
「試験召喚」という設定はいわばシミュレーションゲームの対戦ルールのようなものでこれが呼び名のように魔術・オカルト的なものなのか科学技術の産物なのなのかとくに合理的説明は無い。このあたりライトノベルというジャンルらしいとも言える。難しく考えず明久と仲間たちのボケ&ツッコミを「バカだなー」と笑うのが良いと思う。