『ギャルゴ!!!!!2 地域限定焼餅大全』

桑島由一がライトノベル界のジェームズ・ブラウンとすれば、比嘉智康はスティービー・ワンダーに違いない

……思いつきで言ってみたかっただけです、根拠無しですスイマセン。

でも、作品世界やキャラの個性は異なるものの、語感の独特のセンスや、ゆるゆるな文体、萌えに対するすぐれた洞察など、共通点が多いと思うのですがどうでしょ？

ギャルゴ!!!!!2 地域限定焼餅大全 (MF文庫J)

とある地方都市・真幌市に住む田中春男は、物干し竿を武器に、街を騒がす地方都市伝説を解決するごく普通の中学二年生。頼れる仲間のごく普通のドーベルマンのかま子とごく普通の人形のエリアスからも求愛されるモテボーイ(人外限定)。そんなある日、なぜかお嬢様学校にナンパしに行くことに。しかし女子校に到着した途端、突っ張り棒を手にキャッチャーマスクという異様な姿の女子生徒が襲ってくる。またやっかいな地伝が!? なのにクラスメイトのコトリさんは「春男くんモテモテですねっ」と妬きだす始末。新キャラ続々の爽快コメディ活劇、斜め上向きに第二弾!!!!!

というわけで今回も独特のまったり感の中事件を（ほぼ）解決。というか今回は前作のような〈地方都市伝説の元凶〉との物干しバトルは無し。
なんと大型スーパーでののど自慢大会が実質クライマックスという見事な読者の予想の斜め上をいく展開で、しかし最後には謎の和服美女〈衣装拝借魔〉の謎も解け「一件落着」しているのが凄いです。

……実際は物語よりもコトリのかわいらしさに（主人公同様）あてられているのですが。

新キャラとしてツンデレで男性恐怖症の「ライム」も新登場しますが、今回はどちらかというとエリアスがメインの回でしょう。
スタイル抜群でエロくて頭が良くてインドア派の女の子（ただしフィギュア）というキャラは意外な新鮮さがあると気づきました。本作ではフィギュアのときには気づかなかった「等身大」の彼女の魅力にハッとさせらますよ。
いま個人的には今イチオシの作品です。前作からのも含め伏線が多い作品のためとにかく続編が待ち遠しいです。